2015.12.12
MCIスクリーニング検査は軽度認知障害の発見に役立つか?
軽度認知障害(MCI)の可能性がある人をできるだけ早く見つけ出すための血液検査(MCIスクリーニング検査)は筑波大学発のバイオベンチャー企業であるMCBIと認知症の権威である筑波大学の朝田 隆教授との共同研究で実用化されました。
当院では、この検査に早くから注目し、数年前から実際に導入していましたが、認知度が低かったためか検査の希望者は年に数人といったところでした。ところが最近この検査がテレビや雑誌などのメディアに取り上げられる機会が多くなり、当院でもこの3か月間で30人ほどの方が検査を受けられました。
アミロイドベータという変性したタンパク質が脳細胞に蓄積する事が認知症の引き金になるわけですが、脂質代謝に関連するアポリポタンパク質や免疫に関連する補体タンパク質はこのアミロイドベータが蓄積するのを防ぐ役割を果たしています。MCIスクリーニング検査ではこれらのタンパク質の血液中の濃度を調べるわけです。それによって、軽度認知障害(MCI)である確率を判定することができます。
実際には、この確率が低いほうからA,B,C,Dの4段階で判定されます。ランクCあるいはDと判定された方は、軽度認知障害→認知症と進行していく可能性が高いので、すぐに予防策を講じる必要があります。当院ではこれらの方に頭部CT検査をお勧めしていますが、実際に検査を受けられた方の所見を見ると、C,Dランクの方ではすでに前頭葉や側頭葉の萎縮が起きていたり、海馬の萎縮が始まっている場合が多いことがわかりました。こうした方には生活習慣の改善やフェルガード等のサプリメントの服用をお勧めしています。
今までに当院で検査をされた数十人の方のデータを見る限り、MCIスクリーニング検査は軽度認知障害の発見のための有力な手段となりそうです。この検査に興味のある方、最近物忘れが気になっている方はぜひお問い合わせください。
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