2012.10.30
厳しい糖質制限(低炭水化物)食は危険です!・・・その2
10月18日のブログで、厳しい糖質制限(低炭水化物)食の危険性を裏付ける臨床的なデータをお示ししました。
今回は厳しい糖質制限は危険であることを強く示唆する動物実験を用いた研究をご紹介します。
これは、基礎医学分野の一流の専門誌であるProceeding National Academic Science に2009年に掲載されたものです。
この研究では、動脈硬化のモデルマウス(ApoEマウス)に①低炭水化物高蛋白食(P:F:C(%)=45:43:12) 、②一般的な西洋式の食事(P:F:C(%)=15:42:43)、③高炭水化物食(P:F:C=20:15:65%) をそれぞれ12週間(ヒトに換算すると約6年間)食べさせて動脈硬化の経過がどうなるかを、様々な角度から分析しています。ここで②は現代のアメリカの一般的な食事、③は日本食に近いと考えてよいでしょう。
結果は次のようになりました。
1.脂質、血糖値は3つの群で差がなかった。
2.にもかかわらず、大動脈を解剖した時の動脈硬化の範囲は①では②、③に比べて明らかに広かった。
3.①の群のマウスでは、血管を再生させる能力が明らかに低かった。
4.低炭水化物高蛋白食は動脈硬化を促進するが、その原因は脂肪ではなく蛋白質であろう。
これらの結果が意味するところは、厳しい炭水化物制限で蛋白質が増えると、コレステロールや中性脂肪が高くなくても動脈硬化が進行し、その結果として脳梗塞、心筋梗塞などの心血管合併症がおこる可能性が高いということです。
この研究は10月18日のブログでご紹介した臨床研究とともに、厳しい糖質制限(低炭水化物)食は危険であることの有力な証拠であると考えています。
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