2013.06.19
腸と栄養・・その5
前回までに、腸の機能低下が様々な病気の原因となることをご説明してきました。このような「腸機能の低下」の原因はいろいろと考えられますが、栄養の面からみると次の2点にまとめられます。
1.偏った脂肪摂取
細胞膜は脂質で構成されているため、摂取する脂肪の質が正常な腸機能を保つために重要です。加工食品に多く含まれているリノール酸(オメガ6系脂肪酸)の摂取を控え、魚油(オメガ3系脂肪酸)の摂取を増やしたところ、腸の上皮細胞の細胞膜のアラキドン酸(オメガ6系脂肪酸)が減少し、細胞膜の組成が改善したとの報告もあります。また、脂肪を大量に摂り過ぎると、脂肪の消化吸収のために胆汁酸が大量に分泌され、腸内の善玉菌を殺してしまうため、腸内細菌のバランスが壊れてしまうという説もあります。
2.腸の上皮細胞のエネルギー源の不足
小腸の上皮細胞の主なエネルギー源はグルタミンというアミノ酸で、主に肉や魚などのタンパク質に多く含まれているため、極端なダイエットや食が細くなりがちな高齢者などでタンパク質の不足が起こると、腸の栄養素吸収や水分調節の機能に支障をきたす場合があります。
一方、大腸の上皮細胞は酪酸などの短鎖脂肪酸を主なエネルギー源としています。短鎖脂肪酸は、善玉菌が食物繊維を発酵・分解して作るため、食物繊維を多く含む食品(野菜、きのこ類など)の摂取が不足すると腸の粘膜の萎縮がすすみ、腸の機能が低下してしまう可能性があります。
また、栄養だけでなく、睡眠や運動によるホルモンバランスの改善も腸の機能を回復するためには非常に大切です。
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