2013.07.08
糖尿病患者さんの死因:虚血性心疾患が増加傾向!
2007~2009年に登録された6000例以上の日本人糖尿病患者を追跡した大規模研究JDCP(Japan Diabetes Complication and its Prevention Prospective)studyの3年目までの中間解析結果が、今年5月に熊本市で開催された日本糖尿病学会で報告されました。
糖尿病患者の心血管合併症を虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、脳卒中(脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作)、下肢血管疾患(閉塞性動脈硬化症)に分けて、3疾患の割合を見ると、1年目、2年目、3年目ともほぼ6:3:1の割合になっていました。
1988年~1993年の久山町研究のデータでは、虚血性心疾患よりも脳卒中のほうが多かったのですが、JDCPで追跡した2010年代の現状は、心臓が6割、頭が3割、足が1割となり、この20年間で糖尿病患者の合併症として虚血性心疾患が急増していることがわかります。
追跡3年目までに認められた死亡例(56例)の死因は、1位が癌で28.6%、2位が虚血性心疾患で16.1でした。ただし、12.5%で認められた突然死を虚血性心疾患に含めると、癌と同率の28.6%となりました。このデータから、今後は欧米と同様に、日本人の糖尿病においても、死因として癌よりも虚血性心疾患が上に来る可能性が出てきました。
このように、糖尿病の大血管合併症として虚血性心疾患がますます重要になってくることが予想されます。糖質制限食で糖尿病治療を行う場合にも、虚血性心疾患の予防のために、摂取する脂質・タンパク質の内容を十分に吟味する必要があるでしょう。
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