2013.09.30
糖尿病の低血糖と高血糖はいずれも脳萎縮と関連・・EASDより(その1)
今日から数回にわたって、ヨーロッパ糖尿病学会(EASD)で発表された興味深い研究成果をいくつかご紹介したいと思います。
第一回目は、糖尿病患者さんの高血糖と低血糖が、アルツハイマー型認知症の原因となる脳の「海馬」という部分の萎縮をどの程度進行させるかについての研究です。これは日本人による発表でした。
大阪府の藍野病院の吉田先生らは、60歳以上の2型糖尿病の患者さん121人の海馬の萎縮の程度をMRIを用いて5年間追跡しました。その結果からこの121人の患者さんを、明らかに海馬の萎縮の進行が見られた群(萎縮群)と進行が見られなかった群(非萎縮群)の2群に分けて比較したところ、次のようなことがわかりました。
①萎縮群は非萎縮群に比べて高齢であった。
②萎縮群は非萎縮群に比べて食後2時間の血糖値が高かった。
③萎縮群は非萎縮群に比べて低血糖発作の回数が多かった。
④萎縮群は非萎縮群に比べて内臓脂肪が多かった。
これらの事実から吉田先生らは、「糖尿病では高血糖、低血糖のいずれも認知症の進行と関連しており、認知症の予防の意味からも、適切な血糖値を維持することが極めて重要である。」とまとめています。
「適切な血糖値」の範囲が難しいわけですが、いずれにせよ血糖の変動をできる限り小さくすること、そして食後高血糖を防ぐことが認知症の予防につながるのではないかという印象を受けました。
写真は有名なガウディのサグラダ・ファミリア聖堂の夜景です
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