名古屋糖尿病相談室
監修医院:小早川医院

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糖尿病の診断と検査

糖尿病の診断基準

糖尿病とは血液中の糖の濃度が高い状態を指しますが、一定の基準を超えた場合に、治療が必要な”糖尿病である”と診断されます。

診断基準は以下の通りです。

  • 血糖値; 空腹時血糖値≧126mg/dlあるいは 随時血糖値*≧200mg/dl
  • HbA1c; 6.5%以上

血糖値、HbA1cが同時に上記の基準を満たせば糖尿病と診断されます。
血糖値とHbA1cのいずれか一方のみを満たす場合には糖負荷試験**を行って最終的な診断をします。
さらに、以下のよう場合にも糖負荷試験を行います。

  • 空腹時血糖値が110~125mg/dl
  • 随時血糖値*が140~199mg/dl
  • HbA1cが6.0~6.4%

*随時血糖値‥食事と採血の時間間隔を問わず、ランダムに測定した血糖値
**糖負荷試験(75gOGTT)‥前日の夕食後から10時間以上絶食の状態で来院していただき、午前9時ごろ75gのブドウ糖の水溶液を飲んでいただきます。その直前と、飲んだ後1時間、2時間の3回採血し、ブドウ糖水溶液を飲む前後の血糖値とインスリン濃度の推移を調べる検査です。糖代謝の状態が詳しくわかり、糖尿病かどうかの判定が確実にできます。

血糖値の検査について

糖尿病かどうか判別するための検査で、最も基本的な項目が「血糖値」です。これは、採血をした”その時点”の血液中に含まれている糖の濃度を測定するための検査です。
なお、一般的な健康診断では糖尿病の有無ををチェックするために空腹時の血糖値を検査します。しかし境界型糖尿病(糖尿病予備軍)や2型糖尿病の初期には空腹時血糖は正常で食後の血糖のみが上昇するので、このやり方では糖尿病を早期に発見することは難しいというのが実情です。実際には、血糖値がピークになりやすい食後1~2時間の血糖値が重要です。
食後血糖値のみが高くなっている段階でも、すでに動脈硬化が進行し始めている事が明らかになっており、食後高血糖を早期に発見して治療を始める意義はますます大きくなっています。

血糖値以外の検査について

前述した通り、糖尿病は血糖値だけでは判別できないことがあります。また血糖値は採血した時点での糖の濃度を測定していますので、直前の食事の状況に大きく左右されたり、長期的なトレンドが分からなかったりという弱点があります。そこで、正確に糖尿病を判別するため、またしっかりと血糖値を長期的にコントロールできているのか?を見ていくために、以下のような検査項目があります。

HbA1c

赤血球の色素であるヘモグロビンと糖が結合したもの。約2か月間の血糖コントロールの状況を推定するための指標。あくまでも血糖値の平均を反映したものなの で、この値が正常であっても高血糖と低血糖を繰り返している場合もあるので注意が必要です。

糖化アルブミン

血液中の主要なタンパク質であるアルブミンに糖が結合したもの。
過去2週間の血糖コントロールの状況を反映します。

1,5-AG

ブドウに似た構造を持つ物質。主に過去1週間の食後血糖を反映します。

合併症の早期発見のため、定期的に必要となる検査

【糖尿病性神経障害】

糖尿病性神経障害は糖尿病の三大合併症(神経障害, 網膜症, 腎症)の中で最も早期から進行する事が知られており、糖尿病の患者さんの約40%が発症します。自覚症状を伴わない場合も多く、放置することによって足の潰瘍や壊疽が起こるため、早期発見・早期治療が大切です。そのために皮膚の上から神経を電気で刺し、刺激の伝わる速度および強さを測定する検査をします。電気刺激を加えるので少し痛みを伴います。症状のない糖尿病性末梢神経障害の診断に有効です。

【糖尿病性網膜症】

糖尿病になってから10年以上経過して発症する場合が多いのですが、かなり進行するまで自覚症状がない場合もあり、「見るのに支障がないからまだ大丈夫」とは言えません。ですから、糖尿病と診断された方は特に眼の症状がなくても定期的に眼科受診をして、眼底検査を受けてください。

【糖尿病性腎症】

糖尿病を発症してから10~15年後に発症することが多く、3大合併症の中では最も遅く発症することが多いです。糖尿病患者さんの30~40%が腎症に罹っています。
微量アルブミン尿(尿中アルブミン>30mg/dl)が確認できれば糖尿病性腎症と診断されます。糖尿病性腎症も早期発見・早期治療が大切ですので、当院では糖尿病の患者さんは毎回診察時に尿検査をして微量アルブミン尿がないかどうかを確認します。

糖尿病に早く気付くために

まずは毎年、必ず健康診断を受けていただくことが大切です。健康診断の結果、HbA1c≧5.5、空腹時血糖≧110, 随時血糖値≧140 といった検査結果が出た場合、糖尿病に注意が必要です。また、血縁者に糖尿病の方がいる場合にも注意が必要です。これらに当てはまる場合には前述の糖負荷試験を受けていただくようお勧めします。
少しでも気になる点があれば、糖尿病をしっかりと診ることができる医療機関にお早めにご相談ください。

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